『ムーンレディの記憶』

おおむね児童文学は、子供が主人公の作品であれば、その年齢がまた、読者の年齢でもあるという、シンプルな見立てが存在する。
もちろんベルヌの『海底二万マイル』などはそもそも大人の冒険物であるから、この見立ての適応外で、あるわけだが。

さてカニグズバーグの最新作が、翻訳出版された。
『ムーンレディの記憶』

ムーンレディの記憶

ムーンレディの記憶

登場する子供たちはアメリカの6年生。
悩ましいのは、この本は、日本の6年生には難しすぎるのではないかということだ。

図書館が、教育機関としての側面を持ち、しかも児童サービスに重点的に力を入れ続けながら、6年生が主人公になる本を読めない6年生を生み出してしまったということは、どこかに改善の余地があるということではないだろうか。

もちろんいささか難しい本ではあるのだけれど。
この本は。

『ミステリアス エッジ』でも良かったかな、邦題。
原題は
『The Mysterious Edge of the Heroic World』