カニグズバーグ追悼

カニグズバーグさんが亡くなりましたね。年齢的にもいつ亡くなられてもとは思っていたので、突然の訃報という感じではありませんが、大きな星が一つ落ちたなという気がします。 遺作となった『ムーンレディの記憶』まで、高いクオリティを維持してみせたとこ…

図書館系MLで流れてきた論文『公立図書館における書籍の貸出が売上に与える影響について』を読んで その1

図書館系MLで流れてきた論文 『公立図書館における書籍の貸出が売上に与える影響について』 http://www3.grips.ac.jp/~ip/pdf/paper2011/MJI11004nakase.pdf目を通すのも礼儀かと、ざっと読んでみたのだが、専門家(経済学系)が専門家に向けて書いたものの…

実用的とかわいいと。ボランティア奮闘記。

『赤毛のアン』も、初版から100年ちょっとが経って、いささか古めかしくなっても良い頃だけど、いまだに現役感を維持しているように思う。 プリンスエドワード島に聖地巡礼をする日本人はシーズンになればまだまだ相当な数がいるそうだし、私だって行ける…

『大草原』追想

セミフィクション、あるいはセミノンフィィションであるところのローラ・インガルス・ワイルダーの『大草原シリーズ』は、当然、現実的な世界とかかわりを持っていて、『シルバーレイクの岸辺で』に登場する、デ・スメットという町は実在する。シルバー・レ…

『嘘つき娘』は裏切らない

今年読んでよかったと思う本の一つが『嘘つき娘』。嘘つき娘作者: マウゴジャタムシェロヴィチ,Malgorzata Musierowicz,田村和子出版社/メーカー: 未知谷発売日: 2008/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見るマウゴジャタ・ムシェロヴィチは井…

海へでるつもりだったんだが。あるいは、クラウン→カローラ→カブ

11月一杯で、仕事を辞めるはずだったのだが、なんだかんだで今も図書館に通っている。 職場で堂々じゃなくて労働問題が起こって、一人プチ労働争議で、首をかけたのだが、要求は認められなかったにも関わらず、同僚の引き止め(辞めなかったら、〇〇さんを膝…

クリスマス シーン

クリスマスシーズンを迎えて、クリスマス系の本が図書館に並ぶ時期が来た。 こういう時はどうしてもクリスマスの話がメーンになる(それこそ、タイトルにクリスマスやサンタが使われるような)そんな絵本が選ばれる。一方で、クリスマスがワンシーンとして描…

ライブラリアンのためのリナックスという夢想

すでに存在するかもしれないのだが。 リナックスをさてどれにするかと、いろいろ調べていたときに、少し考えさせられたことがあった。 いわゆるディストリビューションのなかの、特定ユーザーを想定したものを目にしたときだ。 医師(会計士だったかも)向け…

You are the Jboy

このところずっと放っておいたブログですが、わけあって、12月からいくらかまとめて記事を書こうと思っています。 そこで肩慣らしの意味で、昔の下書きにいくらか手を入れた記事をアップしておこうと思います。近況的なことを書いておくと、この放置期間の私…

Lights out tonight trouble in the heartland

これまた、いくらか昔に書いたもの。 書いている途中で、動きもあって、完全に文章は混乱し、またそれを修正する気力もなくしたので、相変わらずまとまりのないものになっている。 それはそれ、地震のあったせいで、この話題も遠景化しているように思えるの…

臨時休館

《…そして、図書館は計画停電によって閉館することを避け、情報提供に努めてください。…》 ともんけんの中沢さんがウィークリーで書いていた。http://tomonken-weekly.seesaa.net/article/190475085.html残念なことだが、勤務先の図書館は21日まで全館休館…

新年の挨拶にかえて

この文章は去年の秋ごろに書いて、結局お蔵入りになったしょうもないものである。お蔵入りになるだけあって、全体にまとまりや論理的な積み重ねといったものがかけている。 しかし年が明け、しかもあっという間に一月が過ぎてしまったいうこともあり。新年の…

カーリル 図書館検索サイト

『カーリル』http://calil.jp/ 近所の図書館で蔵書があるか、借ーりられるかなどを検索できるサイト。 twitterでつぶやかれていて、のぞいてみたら、いい感じ。 なんか、楽しくなってきた。 こうゆうサイトがあってもよかったって、思う。 このさきの可能性…

フェレットが頭の中でぐるぐる

はじめに ブックマークしてくださったみなさん、わざわざリンク先のサイトを訪問してくださったみなさんに感謝します。 取り急ぎ、リアクションとして考えたことをアップしておきます 1 さて、私は反省をしています。私のブログはそのブログ名によって、も…

ふんわりやわらかな差別。正規はどこまでえらいのか

ともんけんウィークリー。3月1日の記事。 『いつか毛玉を吐く日』 http://tomonken-weekly.seesaa.net/article/142495271.html ともんけん=図問研=図書館問題研究会(http://www.jca.apc.org/tomonken/) 記事の前半は書き手のペットのフェレットの話で…

ネットで実名活動をするときの実にささやかなリスク

しばらく前のことだが、職場で、同僚に声をかけられた。 「○○さん、『水死』を一番に予約していたでしょう!」 ウキャー、ダダ漏れじゃん、私の秘密。水死 (100周年書き下ろし)作者: 大江健三郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/12/15メディア: ハードカ…

公共図書館の新しい夜明け。

《小学校の学区単位毎に何人かの地域委員を選び、選ばれた委員が自分たちの町づくりに当たる。委員を選び出すのは、自ら手を挙げて登録した選挙人。当選した委員は福祉、洪水対策、公園の管理などのテーマを決め、それに市が予算をつけて、委員会が執行する…

WEBOPACの使い勝手

ネット技術としての「PHP」について知りたくなって、本を借りるべく近所の市民図書館のWEBOPACで検索する。[書名(タイトル)]と表示された欄に[PHP]と入力して、検索をクリックすると、いわゆる?「PHP研究所」系の本が大量にヒットしてし…

「さし絵がついていますか?」  「怖い本ですか?」

ブックマークコメントを読んで、少し考えた。 特に《suzuchさんの《 おとなが道筋をつけてあげるべきこととそうでないことがあって、これが一体どちらに該当するのか少し考えてみたいと思う。》が、気になっている。いつかじっくり考えたい。それはそれ、先…

児童文学を分類せよ

ドイツの児童文学作家アンドレアス・シュタインヘーフェルの『ヘラジカがふってきた!』 を読んだ。ヘラジカがふってきた! (ハリネズミの本箱)作者: アンドレアス・シュタインへーフェル,ケルスティン・マイヤー,鈴木仁子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2…

子供の読書指導を思う

『ためしに、私たちが力を引き出そうとしている子どもについて、その本の読み方を分類して、表にするとしたらどのようになるでしょうか。文字をたどりたどりする読み方、不得手な読み方、並みの読み方、表現力の豊かな読み方(表情をつけて音読する)、楽し…

文明開化

柄谷行人の『日本精神分析』という本を読んでいる。2002年の本だが、読み落としていた。日本精神分析作者: 柄谷行人出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2002/07メディア: 単行本この商品を含むブログ (15件) を見る前回の記事で、唐突に「文明」などとい…

文明と書いてフミアキ

hatekupoさんの記事『自分が小心者のクセに粘着質だったことを改めて知る。前回の続き』 http://d.hatena.ne.jp/hatekupo/20091108/1257682203のなかで、私が自分勝手にぴぴっと来たのがこの部分。 ≪仕様書の作成とは“見える化”のこと。委託反対を単純に反対…

有楽町駅は長い、おおむね人生も、夜も

近所の市民センター(注1)のひとり花壇ボランティアとして、サツキの植え替えを済ませてから、U40会場のある有楽町へ。 このところ夜になると急に冷え込んでくるような気がしていたので、Tシャツの上にセーター、その上にパーカーを着込んで出かけたの…

角のところで……

締め切り延長のどさくさにまぎれて、結局参加することにしたU40東京会場。 私はオーバー40(っていうか、U50、トホホ)なので、すみっこのほうで、(ー『角のところで会いましょう』ー)U40のみなさんの、希望に満ちたトークを聞かせてもらうこと…

『コロボックル物語』を読んで その2

第5巻『小さな国のつづきの話』はー名まえを杉岡正子といって、その年の春高校をでるとすぐ、町の図書館につとめはじめたおねえさんがいるーというぐあいに始まる。 もちろんコロボックルの話がメインにはあるのだが、最初は事務員として図書館で働き始める…

『落ちる、落ちる、叫びながら・・・・』

sakuraya_tohruさんから頂いたブクマコメントを読んで、考えた。 ≪場としての公共図書館は90年代から具現化したが華美なハコモノを整備したい政治家の手段でしかなかったので、お金が無くなった現在に至り失敗と判断される/今後は、住民の自主的なコミュニテ…

「浅からぬ因縁」(フロム巨人の星) 市民図書館の生き残りと教会

『公共図書館が国会図書館に滅ぼされる日』というショッキングなタイトルの記事を読んだ。 http://sakuraya.or.tp/blog_t/index.cgi?no=559 国会図書館が蔵書すべてをデジタルアーカイブ化して……という、シュミレーションなのだけど、まあそうなると、市民図…

図書館アンケートと統計学

terracaoさんの記事を読んでて、ふと思った。 http://d.hatena.ne.jp/terracao/20091018/1255800907 ≪ ここまで長々と話してきたが、以上の話は、あくまで無作為抽出の結果、得られたデータに関して適用できるロジックである。冒頭の小池氏の調査の話にもど…

『コロボックル物語』を読んで その1

佐藤さとるの『コロボックル物語』を5巻まとめてざっと読んだ。 『だれも知らない小さな国』 『豆つぶほどの小さないぬ』 『星からおちた小さな人』 『ふしぎな目をした男の子』 『小さな国のつづきの話』 ほかに別巻として、短編集があるのだが、シリーズと…