その考察4

そもそも、資料の収集、提供、保存をサービスの基礎に置く図書館は、「未来の利用者(読者)」をその視野に含んでいる。

リクエストに応えることに傾きすぎた「選書理論」は、「未来の読者」への想像力を基本的に欠いている。
未来の市民、未来の国民への想像力の不在が、次の世代(未来の世代)に、巨額の負債を押し付けることになってしまった、借金まみれの国と地方の経済政策と、同じ「根」を、「現在の利用者」の要求のみを考える「選書理論」は持っていないか?

「今、ここ」から始めるということは、「今、ここ」だけを考えるということではない。