文明と書いてフミアキ

hatekupoさんの記事『自分が小心者のクセに粘着質だったことを改めて知る。前回の続き』
http://d.hatena.ne.jp/hatekupo/20091108/1257682203

のなかで、私が自分勝手にぴぴっと来たのがこの部分。
≪仕様書の作成とは“見える化”のこと。委託反対を単純に反対するだけで、仕事の“見える化”、契約事務を勉強しようとしなかった図書館界のツケがこんなことにも現れる…≫


私が自分勝手に思い出したのが、めでたく図書館を離れた公務員図書館員がかつて私に言ったこと。
箇条書き風にすればこうなる
・図書館での委託・指定管理は今後とも継続拡大する。
・それは、委託・指定管理による運営がけっして失敗しないから。
・その理由は、担い手がだれであれ図書館運営を失敗と確定しうるような、明確な指針・基準が存在しないから。
・失敗しない以上、方針が変更されることはないから。


見える化≫してこなかったツケということで、私のなかでピピッとつながってきた。
見える化≫って「外在化」させることだと思う。当事者(自治体・業者・市民……)のそれぞれにに対して、メタレベルにたつ「仕様書」を作成すること。
それこそ、「文明」ということのはず。そもそも図書館って、基本としては、文で明かされたものを収集・保存・公開する場所ではなかったのか。

ということで、
ここまでで、思いついた記事のアウトラインはこんな感じ。


委託・指定管理への移行を本気でストップさせる気なら(失敗させようと思ったら)、明確な評価基準を作成することこそ有効な方法であるのに、それをしないで、なぜ不法・不当な労働問題を声高に叫ぶことでなそうとするのか?
それは、いったん評価基準を外在化させてしまえば、それによって、みずからも評価されることになるのを、直営系図書館員とその周辺が嫌ってということではないのか。

というようなものだった。



ところがその後、「図書館 評価」などで検索をかけたら、下記のようなことがわかった。

①そもそも図書館大会第8分科会は図書館評価について議論する場だったということ。
②行政評価による公共図書館評価におけるアウトカム指標. 桑原芳哉(慶應義塾大学大学院文学研究科図書館・情報学専攻
http://wwwsoc.nii.ac.jp/mslis/am2007yoko/20_kuwabara.pdf
③2009年 町田市立図書館「図書館評価」を実施します!
http://www.city.machida.tokyo.jp/shisetsu/cul/cul08library/announce/tosyokanhyouka/index.html
というわけで、すでに実際に取り組まれつつあること。


②と③にざっと目を通して、私の思い描いたものとは、相当ずれがあることを知った。まあ。思いつきだしな、私は。
それはそれ、基本的な考え方として②が参考になった。
気になったのが③である。もちろん積極的に取り組むことは良いことだと思うが。


気になった点は、
①おおむね図書館内部で、目標設定から評価まで行うこと。
②外部的な存在として図書館協議会がその役割を果たすことが期待されているが、図書館協議会委員の選出に透明性・公開性がないこと。(教育委員会が任命)

正直いささか落胆して、エネルギーレベルが6から2に下がる。せっかくWEBにアップされているのだし、細かくみていこうとかと思っていたのだが、挫折。(PDFみづらいし)

それにしてもこのやり方、気をつけないとわれわれはちゃんとやってますということで、外部の声をはねつける厚い膜として、機能しかねないと思う。市民・利用者に開かれた市民図書館を目指すなら、それを回避するための制度・システムの整備は必要だろう。。


PS
検索をかけたとき一緒に見つかったもの。

公共図書館の自己評価入門 (JLA図書館実践シリーズ 9)

公共図書館の自己評価入門 (JLA図書館実践シリーズ 9)

(JLA図書館実践シリーズ 9) 神奈川県図書館協会図書館評価特別委員会 編

あああ、自己評価。自己評価でいいんなら、私なんか……号泣。