児童文学を分類せよ

ドイツの児童文学作家アンドレアス・シュタインヘーフェルの『ヘラジカがふってきた!』 を読んだ。

ヘラジカがふってきた! (ハリネズミの本箱)

ヘラジカがふってきた! (ハリネズミの本箱)

同じ作家の『リーコとオスカーともっと深い影』が、なかなかよかったので、ほかの作品も読んでみたくなったから。(イ○ナミ書店もようやくケストナーばかりじゃだめだってことに気づいたか)
リーコとオスカーともっと深い影

リーコとオスカーともっと深い影

『ヘラジカがふってきた!』はクリスマスがらみ?の100ページほどの短編。ファンタジー仕立てで(といっても異世界系ではない!!)、ところどころ、深みや、皮肉も含まれる。まずはこの時期にぴったりの本だと思う。本文中の挿絵もカラーで、表紙の絵も含め感じのよいできに仕上がっている。

それでまあ、さしあたりその読みやすさを示そうとすると、『ヘラジカがふってきた!』は小学校3年生くらいから、『リーコとオスカーともっと深い影』が5年生くらいからかな、などと考えるのだが、この学年別という発想には、基本的に正しい!と思われる批判がある。

同じ学年の子供といってもその読書スキルには大きな隔たりがある、というのがその批判の前提・根拠であり、それは確かに正しいように思われる。
たとえば小学校1年からサッカークラブに通い始めた現在4年生と、5年生からクラブに通い始めた6年生とでは、当然足元のテクニックにおいては4年生が優っているのは当然といえば当然のことなのだ。ちなみに私はリフティングが5回くらいしかできない。

そこでまあ必要と思えるのが、学年にとらわれず、その子供固有の読書歴を知ることだろう。そのための方法として、それまでに読んだお気に入りの本を何冊かあげてもらうというのが、まずはよい方法だと思う。
しかしまあ、その何冊かから、その子供にあった、次の本、ネクストブックを紹介しようとすると、いくらか(相当!)時間と根気のいる下準備が必要になってくる。

①すべての児童文学を難易度によって、10段階ぐらいに分類すること。
②すべての児童文学を内容によって、分類すること。面白いとか楽しいとか怖いとか不思議とか…。ひとつの作品は複数の魅力を持っている場合が多いから、内容は並列的に表記することが望ましいように思う。

たとえば
    『長くつ下のピッピ』は      [2・U(愉快)+F(不思議)+G(元気)]
    『名探偵カッレくん』は       [4・T(楽しい)+S(推理)+N(夏休み) ]
    『ぼくがぼくであること 』      [6・K(家族)+B+M(謎)]
    『ツバメ号とアマゾン号』は    [7・A(アクション)+B(冒険)+W(水?)]
    『穴』は                [7・O+Y(勇気)+F]
    『むだに過ごしたときの島』    [8・F+Y(友情)+K(恋)]
まあ、今ちょっと思いついたのを並べたので、あくまで参考までにってやつだけど。 
この作業が、すべての児童文学に対して行われれば、ある子供の「お気に入りの本」にも、分類記号がついているはずなので、そこからその子が次に読む本としてふさわしいリストを作成するプログラム自体は簡単なものであるはずだ……

『ヘラジカがふってきた!』が短いものなので30分ちょっとで読むことができた、その後30分くらいで、思いついたのが、このアイデアです。
すでにこのプロジェクト?は誰かが思いついて、完成しているかもしれないし、進行中かもしれない。
ネットで調べてもよいのだが、たかが思いつきというか、クリスマス前の夢ということで、そのままアップすることにする。

PS
二十歳かそこらで効果の現れるような読解力の向上指導なら、学校でやればよいのではという気が私はしています。市民図書館で行う読書指導はもう少し長いスパンを見据えたものであることが望ましいのではないでしょうか。このあたりはある程度、分担を決めて(学校と図書館の事業仕分け?)やったほうがよいように思います。

名探偵カッレくん (岩波少年文庫)

名探偵カッレくん (岩波少年文庫)

ぼくがぼくであること (角川文庫 緑 417-1)

ぼくがぼくであること (角川文庫 緑 417-1)

ツバメ号とアマゾン号 (アーサー・ランサム全集 (1))

ツバメ号とアマゾン号 (アーサー・ランサム全集 (1))

穴  HOLES (講談社文庫)

穴 HOLES (講談社文庫)

むだに過ごしたときの島

むだに過ごしたときの島