「さし絵がついていますか?」 「怖い本ですか?」
ブックマークコメントを読んで、少し考えた。
特に《suzuchさんの《 おとなが道筋をつけてあげるべきこととそうでないことがあって、これが一体どちらに該当するのか少し考えてみたいと思う。》が、気になっている。いつかじっくり考えたい。
それはそれ、先日読んだ『砂のゲーム ぼくと弟のホロコースト』著ウーリー・オルレフ(注①)にこんなシーンがある。
−ーー
図書館で、わたしはかならず、
「さし絵がついていますか?」と聞き、ついていたら、
「怖い本ですか?」と聞くことにしていた。この二つの条件が満たされると、わたしは本を借りた。
…
ハッピーエンドでない物語を読むと、読んだ後あとしばらく悲しい気分をひきずってしまう。だからといって、読む楽しみと緊張をなくしたくなかったので、物語の結末を図書館司書の人に聞いたりはしなかった
−ーー (30ページ)
少年時代のオルレフ氏は、試行錯誤をくりかえしたのち、自分が読みたい本を手にするための、完璧な呪文を見つけだしたのだろう。
「さし絵がついていますか?」
「怖い本ですか?」
「さし絵がついているか」という質問は自分がもとめる本の難易度をめぐる質問といえる。絵本から一般書までの難易度の変化の過程の一段階にさし絵がついている本が占める領域があるから。注②
そして「怖い本ですか」は、どんな本を読みたいかという少年にとって一番大切なことを司書に伝える言葉である。
舞台となった図書館について詳しいことは書いてないから、どんな感じの図書館だったのかははっきりしないけれど、(閉架式の図書館だったのだろうか)しかし、まあ、ここで登場する司書って優秀だよね。たぶん個人的に猛烈な読書家で、図書館の本をあらかた読みつくしていたりしたのだろう。
そうでないと、少年オルレフの怖い本というリクエスト?に対応しようがない。それともその図書館の蔵書にはそれがどんな本であるかについて(怖いとか楽しいとか)の付加情報が添えられていたのだろうか。
とにかく半世紀以上過ぎた現在でも、子供にとって最も重要な点である、その本がどんな本なのか(怖いのか、せつないのか、わくわくさせるのか…)について、たとえばOPACを利用して、図書館司書が判断するのは困難なままなのだ。(というか、できないよね、それともできるのかな?)抄録って、あらすじベースだし。
これはもう何とかできるなら何とかしたいと思うのが人情ってものでしょう。
Every reader, his book.
それはそれ、子供時代を振り返って、私が「無人島もの」を好んでいたことを唐突に思い出した。ある意味、「舞台」っていうのも重要かも。カッレくんシリーズを好んだのも、時間的な舞台が夏休みだったこともあるように思う。宮崎アニメの中には「空もの」とくくりたくなる作品がある。
うーん、舞台か…
それはそれ、無人島ものは、より大きな枠組みとして、「子供だけの世界」と呼べそうなグループ?のバリエーションをなしていると思う。邪魔くさい!!!大人のいない世界で、というのは子供の基本的な夢のひとつなのだろう。
『芽むしり仔撃ち』『漂流教室』(漫画だけど)『子どもだけの町 』。
それぞれ島ではないが、同じグループに属している。
無人島もの。
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ああ、いっそ、ソワソワ、ワクワク、ウルウル、ドキドキ、ハラハラ、ホロホロ、ブルブル、ウキウキ…だけで本が探せるようにすると、子供にはわかりやすいかも。
注①作品自体はずば抜けて面白いというわけでもない。あるしゅの図書館員が購入したくなるタイプの本。
注②そういえば昔図書館に本を探しに来た子供が、活字の大きさをポイントにしていたことがあった。自分が読める本をみつけるための、その子供が見つけだして方法のひとつなのだろう。
付録
いまこそ、書店で本を買った人が、途中で図書館によって、100円くらい払って!!!!(原材料費込み)ブッカーをかけてもらうのが常識となった世界を確立しませう。
今後求められること
①医師や弁護士同様の事業の独占化に向けた法整備。
②味のあるブッカーの開発。
③餅はやっぱり餅屋ね、といわれるくらいの腕の獲得。
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